母の日によく選ばれるカーネーションですが、鉢植えとしてもその丈夫さで人気です。
適切な手入れをすれば、カーネーションを長く楽しむことが可能です。
ただし、育てているうちに茎が予期せず曲がってしまうことがあり、見た目にも少し影響が出ます。
そんなカーネーションの茎をきれいにまっすぐに保つためには、あるコツが必要です。ここでは、茎が曲がってしまう理由とその対処法についてお話ししましょう。
カーネーションはなぜ茎が曲がり垂れ下がるのか?
カーネーションの茎が思わず曲がる主な理由をみていきましょう。
花の重さが原因
切り花用として育てられる背が高いカーネーションや、低めで鉢植え向けの種類があります。背が高いものは花の重みで茎が曲がりやすい性質があります。
特に切り花用は風や雨で倒れやすいので、注意が必要です。これからカーネーションを選ぶ際は、鉢植え向けの種類を選ぶと良いでしょう。
選ぶポイントとしては、色鮮やかで蕾がたくさんついた株がおすすめです。蕾は大きめのものを選びましょう。
また、株の根元も重要で、新芽がたくさんあり、健康的な緑色をしているものを選んでください。害虫がいないかもチェックしましょう。
茎の柔軟性による曲がり
特に若いカーネーションは、茎が柔らかく曲がりやすいです。一度曲がると元に戻りにくいので、注意が必要です。
カーネーションは比較的育てやすい植物ですが、特に切り花用の種類は支えがないと自立しにくいです。
市販のカーネーションがきれいに直立しているのは、茎が曲がらないように対策が施されているからです。
では、自宅で茎をまっすぐに保つにはどうすればいいでしょうか?
茎をまっすぐに保つ方法
カーネーションの茎をまっすぐに保つには、支柱や結束材を使って茎をしっかりと支えることがポイントです。
特に切り花用のカーネーションでは、早めに支柱を立てることをお勧めします。
カーネーションを美しく支える方法
●カーネーションの成長サポート
カーネーションがぐんぐん伸び始めると、周りにしっかりとした支柱を立てることが大切です。朝顔用の支柱など、手軽に手に入るもので十分です。
●ネットでの支え方
10cm四方のマスがあるフラワーネットを準備し、植物の上方に水平に広げて固定します。こうすることで、「切り花用」のカーネーションも含め、植物をきれいに整えることができます。はじめは一番下のネットをメインにし、カーネーションが成長したら、次第に上のネットも使っていきます。
●茎の誘導のコツ
それぞれのカーネーションの茎を、ネットのマス目を通して誘導します。このとき、茎の先端が常にネットによって支えられている状態を保つことが重要です。
●成長に応じた調整
カーネーションが大きくなるにつれて、ネットの位置も適宜高くしていきましょう。複数段のネットを使っている場合は、それらを順に利用します。茎がネットからはみ出さないように、余分な枝や枯れ花は定期的に除去しましょう。
初めは支柱やネットの設置に少々手間がかかりますが、その後はカーネーションの成長に合わせて少しずつ調整するだけなので、思ったほど大変ではありません。真っ直ぐに伸びた茎は見た目も美しく、育てる喜びもひとしおです。
花期が終わったら、茎を適度に切り戻し、次の成長を促しましょう。このとき、茎を適切な位置でカットすることが大切です。
カーネーションは湿度の高い環境を好まないため、適切な通気性を確保することが重要です。植物が密集している場所は、根元から思い切って切り取り、空気の流れを良くしてあげましょう。最適な時期は、梅雨入り前と秋です。
一度曲がってしまった茎はもとには戻りませんが、切り戻しや挿し木により、新たな一歩を踏み出すチャンスがあります。
カーネーションを挿し木で増やす手順
●若い茎の選択
カーネーションの健康な若枝を見つけ、そこから硬さと短い節間を持つ部分を選び取ります。
●茎のカット
選んだ若枝を傾斜をつけてカットし、その長さを10cmから15cmに保ちます。
●葉の調整
カットした茎の上部にある数枚の葉を残し、残りの葉はすべて取り除きます。
●水への浸漬
切り取った茎の端部を水中に数時間から数日間置いておき、水は茎の切り口をカバーする程度にしましょう。
●土への植え付け
適切な深さの穴を土中に作り、茎を優しく挿し込んで、2~3cmが土に覆われるようにします。
●適切な保水と温度管理
挿し木した茎を、水受け皿を設置した半日陰の場所に配置し、土の乾燥を防ぐために水やりを心がけます。
●根の成長と鉢への移植
1ヶ月ほど経って根がしっかりとついたことを確認できたら、その茎を適切な鉢に植え替えます。
挿し木は特に春から夏にかけて行うのが理想的で、この時期ならば茎の根付きや成長がより成功しやすくなります。
細い茎と変色した根を持つ元気のないカーネーション、元気を取り戻せる?
カーネーションの健やかな成長には、十分な日光、良好な通気性、そして適切な水はけが欠かせません。
茎が細長くなる一番の理由は、大抵「日照不足」にあります。なので、より日光を多く受けられる場所への移動が推奨されます。
ただし、カーネーションは夏の猛暑を苦手とするので、暑い季節は涼しげな陰に置くなどの配慮が必要です。
また、「水やりや肥料を与え過ぎ」も問題となることがあります。特に夏は成長ペースが落ち、水分の過剰供給は茎を不必要に伸ばしてしまいます。夏期は土の表面が少し乾いた状態を保つのが望ましいです。
水や肥料の与え過ぎは、根の健康を害する原因にもなり得ます。
いったん細長くなってしまった茎は、もとに戻すことはできません。そのため、新しいスタートとして切り戻しや挿し木が考えられます。
根元の部分が黄色っぽく変色してしまったカーネーションに関しては、回復が難しい場合もあります。根元がふにゃふにゃしているようなら、根の腐敗が進んでいる可能性が高いでしょう。
しかし、茎や根にまだ活力があるならば、鉢を替えて土を新しくし、切り戻しを施すことで、再び健康な状態へと回復させることが可能かもしれません。
結論
魅力的で色鮮やかなカーネーションを維持するためには、少々の世話が必要です。
適切なケアの方法を知っていれば、年々、その美しい花々を楽しむことができるでしょう。耐久性のある植物ではありますが、適切な手入れをしなければ、その真価を発揮することはできません。手をかけた分だけ、花が咲く喜びも大きくなるはずです。
ぜひカーネーションの栽培を楽しみ、その美しさを最大限に引き出してください。